居宅介護支援事業所が地域の依頼を受け切るために|ケアマネジャーの連携と組織運営

居宅介護支援事業所には、利用者様やご家族の声を最も近くで受け止め、地域に必要な支援をつなぐ役割があります。けれども現場では、「訪問看護の受入先が決まらない」「訪問介護の時間帯が合わない」「退院後すぐにサービスを開始できない」といった調整の難しさが日々生まれています。

地域で暮らし続けたいという利用者様の希望をかなえるには、ケアマネジャー個人の努力だけに頼るのではなく、居宅介護支援事業所、訪問看護ステーション、訪問介護事業所、通所介護事業所などが、日頃から課題を共有できる関係が必要です。

まるっとけあ居宅介護支援事業所では、ケアマネジャー16名で約700名の利用者様のケアプランを作成しています。1人当たりにすると約44名です。今後は30名・1,300名超の体制を目指しながら、自分たちの成長を地域への貢献につなげる取り組みを進めていきます。

居宅介護支援事業所が把握できる「地域の困りごと」

ケアマネジャーは、利用者様・ご家族の生活状況、病院からの退院予定、医療的な対応の必要性、介護サービスの利用状況を横断して見ています。そのため、地域でどのようなサービスが求められているのか、どこで支援が止まりやすいのかを早く把握できる立場にあります。

例えば、訪問看護が必要であっても医療対応や時間帯の条件が合わずに開始が遅れることがあります。訪問介護も、必要な曜日・時間に対応できる事業所が見つからなければ、ケアプランだけでは在宅生活を支えられません。こうした一件ごとの困りごとは、地域全体で見れば、受入体制、人材、連携方法、情報共有の課題として表れてきます。

居宅介護支援事業所がこれらの声を集約し、関係事業者と共有することで、「何が足りないのか」「どのような工夫が有効なのか」を地域で考えられるようになります。

ケアマネジャーが多くの利用者様を支えるには仕組みが必要

利用者数を増やすことは、単にケアマネジャーの担当件数を増やすことではありません。新規依頼の受入、初回面談、アセスメント、ケアプラン作成、モニタリング、サービス担当者会議、記録、事業者との連絡調整まで、日々の業務が止まらずに回る組織設計が必要です。

まるっとけあが1人当たり約43〜44名を支える体制を目指せる背景にも、個人の頑張りではなく、次のような運営の仕組みがあります。

  • 依頼からサービス開始までを滞らせない受入・初回支援の流れ
  • 利用者様の状況や担当者の負荷を踏まえた担当配分
  • 記録、連絡、事務作業を抱え込ませない情報共有と役割分担
  • 訪問看護・訪問介護・通所介護などと調整しやすい連携関係
  • 担当件数や業務の偏りを早期に把握する管理の仕組み

重要なのは、担当件数の多さそのものではありません。ケアマネジャーが利用者様とご家族に向き合う時間を確保しながら、地域からの依頼に応え続けられることです。現場が無理を抱え込み、支援の質や働き続けやすさを損なう形では、持続的な地域貢献にはつながりません。

地域連携の勉強会で、事業所の垣根を越えて学ぶ

そこで、まるっとけあでは地域のケアマネジャーを中心に、訪問看護ステーション、訪問介護事業所、デイサービスなどの関係事業者も参加できる勉強会・情報交換会を構想しています。

目的は、一方的にノウハウを伝えることではありません。困難事例への対応、医療・介護連携、制度改正、業務効率化、人材採用や定着など、各事業所が日頃から感じている課題を持ち寄り、より良い支援の形を探すことです。

参加者同士が「このケースならどのように連携できるか」「自社では何が受けにくいのか」「どのような改善なら現場で続けられるのか」を率直に話せるようになると、紹介先が固定化しにくくなり、地域の受入余力を活かしやすくなります。日頃から顔の見える関係をつくることは、急な退院や困難な調整が必要になった場面で特に力を発揮します。

目指すのは「地域の依頼を受け切れる」仕組み

地域連携の最終的な目的は、会を開催すること自体ではありません。利用者様が必要なサービスにつながり、安心して地域で暮らし続けられる状態をつくることです。

そのためには、居宅介護支援事業所が地域の課題を把握し、各事業者が自らの強みや受入条件を共有し、人材・業務・連携の詰まりを少しずつ解いていく必要があります。課題が見えた事業所には、採用、定着、業務設計、情報共有といった具体的な改善の選択肢も必要になるでしょう。

まるっとけあは、利用者様の声を地域に届け、事業者の皆様と学び合いながら、地域の依頼を受け切れる事業所を増やしていきたいと考えています。居宅介護支援事業所の成長が、地域の介護サービス全体の質の向上につながる。そんな循環を、横浜市・川崎市の地域からつくっていきます。